日数別ペナン島のモデルコース:旅行計画に合った観光名所はどこ?
- 2020.07.04
- マレーシア
マレー半島の西海岸にポツンと浮かぶペナン島は、別名「東洋の真珠」とも呼ばれ、マレーシアの中でも有数の観光地として人気です。しかし観光スポットが多いため、限られた滞在日数の中で「どこに行ったらいいんだろう…」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこのページでは、ペナン島旅行を満喫するためのおすすめモデルコースを、日数別にご紹介いたします。
- 1. ペナン島のことをざっくりと
- 2. おすすめモデルコース
- 2.1. 日帰り
- 2.1.1. セントジョージ教会(St. George’s Church)
- 2.1.2. ローマカトリック大聖堂(Church of the Assumption)
- 2.1.3. イースタン&オリエンタルホテル(Eastern & Oriental Hotel)
- 2.1.4. ペナン市庁舎(City Hall)
- 2.1.5. ヴィクトリアメモリアル時計台(Clock Tower)
- 2.1.6. カピタンクリンモスク(Masjid Kapitan Keling)
- 2.1.7. アチェ・モスク(Masjid Melayu Lebuh Acheh)
- 2.1.8. スリマハマリアマン寺院(Sri Maha Mariamman Temple)
- 2.1.9. クーコンシー(Khoo Kongsi:邱公司)
- 2.1.10. 「Kids on Bicycle」のウォールアート
- 2.2. 1泊2日
- 2.3. 2泊3日
- 2.1. 日帰り
- 3. ペナン島に行く前に
- 4. コツのおさらい
ペナン島のことをざっくりと
ペナン島は、マラッカ海峡の北に位置し、淡路島の約半分ほどの大きさを持つ島です。現在は、「世界遺産ジョージタウン」と「ビーチリゾート」を軸に、マレーシア随一の観光地として親しまれています。また、居心地の良さと物価の安さから、定年退職者がセカンドライフを楽しむ場所としても人気です。
島の名前にもなっている「ペナン」とはビンロウヤシのこと。かつてペナン島を交易の場に利用していたポルトガル人が、「Pulo Pinaom(プロ・ピノム)=ビンロウヤシ」と呼んだのがキッカケです。これをのちに英語風にして「ペナン」と名付けられました。
イギリスの植民地時代、ペナン島は世界各国の民族を招き入れた歴史を持っています。その結果、それぞれの民族文化を取り込んだ、世界でも珍しい国際都市を形成。今でもその面影が、街のあちこちに残っています。
おすすめモデルコース
それでは、日数別におすすめのモデルコースを見ていきましょう。
日帰り
日帰り旅行の場合は、次の観光スポットに行くのがおすすめです。
- セントジョージ教会
- ローマカトリック大聖堂
- イースタン&オリエンタルホテル
- ペナン市庁舎
- ヴィクトリアメモリアル時計台
- カピタンクリンモスク
- アチェモスク
- マハマリアマン寺院
- クーコンシー
- 「Kids on Bicycle」のウォールアート
日帰りだと移動に時間をかけたくないので、ジョージタウン内でも特にメジャーな「コロニアル建築群」「宗教寺院」「ウォールアート」を厳選しました。これらの場所を巡れば、ペナン島が持つ文化とたどってきた歴史を感じることができます。
- 日帰り旅行でおすすめの観光スポットはジョージタウン内にある「コロニアル建築群」「宗教寺院」「ウォールアート」
以下は、それぞれの観光スポットの詳細です。
セントジョージ教会(St. George’s Church)
1819年に創立した東南アジア最古のイギリス国教会は、天を刺すかのような小塔が特徴です。教会の前にあるパビリオンは、ペナン島発展の立役者フランシス・ライトを偲んで建てられたもの。中には、感謝の意を彫った碑文があります。
セントジョージ教会の基本情報 | |
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開館時間 | 10:00~16:00 土曜は要予約、日曜は礼拝のみ |
休館日 | 金曜日 |
入館料 | 無料 |
ローマカトリック大聖堂(Church of the Assumption)
1786年にフランシス・ライトが設立した、マレーシアの中で3番目に古いカトリック教会です。祭壇には、ファティマの聖母(カトリック教会が公認している聖母)像が祀られています。
ローマカトリック大聖堂の基本情報 | |
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開館時間 | 8:00~17:00 |
休館日 | 土・日曜日 |
入館料 | 無料 |
イースタン&オリエンタルホテル(Eastern & Oriental Hotel)
1885年、イースタンホテルとオリエンタルホテルが合併して誕生した通称「E&Oホテル」。最初の経営者は、シンガポールの「ラッフルズホテル」やミャンマーの「ストランドホテル」も経営した、イラン出身のアルメニア人サーキーズ兄弟です。
完成当時は世界で最も長い海岸線(256m)を有するホテルであり、ペナン島に派遣されているイギリス人官僚の結婚式会場として使われました。
現在ももちろん宿泊できますが、一泊数万円とかなり高級。また、ホテル内のレストランでは英国式アフタヌーンティーもあるので、リッチな雰囲気を楽しむのも一興です。
ペナン市庁舎(City Hall)
1903年に創立された、マレーシアの文化財にもなっているエドワーディアン・バロック様式の建築物です。エドワーディアン・バロック様式とは、1901~1910年に流行したエドワード7世時代の建築様式で、直前のヴィクトリア様式が持つ派手さを控え、シンプルにしたもの。
現在は市議会場として使われているので中には入れず、外からの見学のみ可能です。
ヴィクトリアメモリアル時計台(Clock Tower)
1897年に、ヴィクトリア女王の即位60年を記念し建てられた時計台です。高さは18mもあり、ジョージタウンのランドマークの1つとして親しまれています。
カピタンクリンモスク(Masjid Kapitan Keling)
1801年、カーディル・ムハディーンという南インド系ムスリムのリーダーが建てたモスクです。現在では改築を重ね、市内最大のモスクになっています。モスク名の「クリン」とは、インド系移民の総称。
カピタンクリンモスクの基本情報 | |
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拝観時間 | 13:00~17:00 礼拝時間は見学不可 |
定休日 | 金曜日 |
入場料 | 無料 |
アチェ・モスク(Masjid Melayu Lebuh Acheh)
1820年、アチェ(スマトラ島の北端地域)出身のトゥンク・サイエド・フセイン・アイディッドが建立したモスクです。形や色が可愛らしい見た目のミナレットは、スマトラ様式によるもの。
アチェモスクの基本情報 | |
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拝観時間 | 13:00~17:00 礼拝時間は見学不可 |
定休日 | 金曜日 |
入場料 | 無料 |
スリマハマリアマン寺院(Sri Maha Mariamman Temple)
1833年、南インド出身の商人が建立したヒンドゥー寺院です。神々と動物の彫刻が精緻に施されたゴープラム(塔門)が見どころ。
スリマハマリアマン寺院の基本情報 | |
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拝観時間 | 8:00~21:00 |
定休日 | なし |
入場料 | 無料 |
クーコンシー(Khoo Kongsi:邱公司)
1906年、中国の福建省から来た移民クー(邱)族が建てた中国寺院は、本土から職人や材料を集めて造られた本堂が豪華絢爛です。また、湿気から守れるように風通しを良くした高床は、マレー人の建築技術を取り入れたもの。
クーコンシ―の基本情報 | |
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拝観時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | なし |
入場料 | 大人:10リンギット 子供:1リンギット |
「Kids on Bicycle」のウォールアート
ジョージタウン内にあるたくさんのウォールアートの中でも、「Kids on Bicycle」はもっとも有名な作品です。お土産のモチーフにもなっており、記念撮影には順番待ちが必要なほど。
自転車をこいでいる子はいたずらっぽい表情、後ろの子は怖がりながらも興奮しているのか。子供が持つあどけなさを感じさせてくれます。
1泊2日
1泊2日旅行の場合は、日帰りでご紹介した「コロニアル建築群」「宗教寺院」「ウォールアート」に加えて次の観光スポットに行くのがおすすめです。
- レッドガーデン
- 周一族の橋
- ペナンヒル
1泊すると少し余裕が出るので、日帰りのモデルコースにはない要素を取り入れました。これらの場所に行けば、ペナン島の持つ「食」や「美しい景色」を体験することができます。
- 1泊2日旅行では「レッドガーデン」「周一族の橋」「ペナンヒル」を追加するのがおすすめ
それでは、それぞれのスポットの詳細を見ていきましょう。
レッド・ガーデン(Red Garden:紅園)
レッドガーデンはペナン島が誇る大規模なホーカーです。ホーカーとは屋台街のこと。マレーシアではほとんどの都市に1つはあるメジャーな施設で、まるでお祭りのような雰囲気を感じながら食事を楽しむことができます。
ホーカーの特徴は次の3つです。
- ローカルフードを含めたたくさんの料理が一か所で食べられる
- とにかく安い
- お手軽
レッドガーデンにある屋台は、ラクサやサテなどのマレーシア料理はもちろん、中華料理やタイ料理、韓国料理などさまざま。カレー、ピザ、お寿司などもあります。すべての料理を制覇するには毎日来ても半年くらいかかりそうなほど、バリエーション豊富です。
レッドガーデンに入ってから料理を食べるまでの流れは、次の手順に従います。
- 空いているテーブルを確保
- どこからともなく店員さんが来るのでドリンクを注文(来ない場合は店員さんを呼ぶ)
- テーブルの番号を確認
- 屋台へ注文に行く
- 自分のテーブル番号を屋台の店員さんに教える
- テーブルに戻って待つ
- ドリンクや料理が来る
- 持ってきた店員さんに都度お金を支払う
ドリンクのお代わりは、店員さんをつかまえて注文。他の屋台の料理を追加で食べたい場合は、4~8を繰り返します(テーブルを移動する必要はありません)。
食べ終わった食器類は、テーブルに置いたまま帰ってオッケー。店員さんが片付けてくれます。
宿泊する日の夜は、ぜひレッドガーデンでローカルフードや世界各国の料理を存分に味わいましょう。
レッドガーデンの基本情報 | |
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営業時間 | 月~土:17:30~02:00 日:17:30~0:00 |
定休日 | なし |
入場料 | なし |
周一族の橋(Chew Jetty:姓周橋)
周一族の橋(Chew Jetty:姓周橋)は、中国の開拓移民が造ったClan Jettiesと呼ばれる水上集落の中でもっとも規模が大きいものです。Clan Jettiesの集落名には苗字が冠せられており、次の一族が暮らしています。
- 王(Ong)
- 林(Lim)
- 周(Chew)
- 陳(Tan)
- 李(Lee)
- 杂(New)
- 楊(Yeoh)
- 郭(Koay)
1918年に中国・福建省出身の先祖が、ペナン島を開拓するために移住したことが周一族の橋のはじまり。年月を重ねた現在は、75軒もの家を持つ集落に成長しました。
見どころは、水上の家々や住人の暮らしぶり。集落の中には、中国寺院やウォールアートがあり、お土産やローカルフードも充実しています。
入口のところにある朝元宮という寺院です。天井からぶら下がっているいくつもの提灯は、祖国中国の雰囲気を存分に漂わせています。提灯は「繁栄と幸運」、赤は「福を招く色」という意味。
寺院から奥に向かうと、木でできた通路が見えてきます。通路の両側にはいろいろな売店があり、お土産を買うのにぴったり。かなり狭いので、戻る人とすれ違うときは注意しましょう。
写真はとにかく明るい店員さんがいるお店で食べたシュークリーム。船を模した容器も可愛らしく、手軽に美味しくいただきました。
住民の表情や建ち並ぶ家々は、どこか儚げな印象です。
ウォールアートもあります。ペナン島に来て、穏やかに過ごしている姿を描いたものでしょうか。
いちばん奥には感天宮という寺院があります。
所要時間は30分~1時間くらい。日帰りの場合も、時間に余裕があれば立ち寄ってもよいでしょう。
周一族の橋の基本情報 | |
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営業時間 | 9:00~21:00 ※普通に住んでいる人がいるので時間はわきまえて |
定休日 | なし |
入場料 | なし |
ペナンヒル(Penang Hill)
ペナンヒルは、ペナン島の中でもっとも標高が高い場所。頂上を登った先から見える景色はまさに絶景で、山の木々、街並み、海を見渡すことが可能です。
頂上までは、麓にあるケーブルカーを利用します。料金は往復で30リンギット(810円くらい)。80リンギット払えば並ばなくても良い「Fast Lane」というものも存在します。
2泊3日
2泊3日のときは、これまでにご紹介した場所に加えて次の観光スポットに行くのがおすすめです。
- バトゥフェリンギ
3日間滞在できるので、「東洋の真珠」と呼ばれるほどの美しいビーチリゾートを取り入れました。ビーチリゾートで過ごす時間は癒しを与えてくれて、日常を忘れてしまうほど。
- 2泊3日は「ビーチリゾート」を追加するのがおすすめ
それでは、バトゥフェリンギの詳細を見てみましょう。
バトゥフェリンギ(Batu Ferringhi)
ペナン島の中でもっとも有名なビーチリゾートがバトゥフェリンギです。広がるのは澄み渡る青い空と海、そして真っ白な砂浜。
海岸線には、休憩のための食事処もたくさんあります。
もちろん、パラセーリングやジェットスキーなどのアクティビティを体験することも可能。体験したい場合は、海岸にいる管理人にお願いしましょう。
また、夜にはナイトマーケットも開かれるので、食事やショッピングを楽しむこともできます。
バトゥフェリンギの行き方については以下の記事で詳しく解説していますので、よかったらご一読ください。
ペナン島に行く前に
ペナン島へ旅行の前に、以下の気になることをチェックしておきましょう。
日帰り旅行は可能なのか?
「そもそも日帰り旅行は可能なのか」ということですが、クアラルンプールからは朝早くの飛行機を利用すれば十分可能です。ペナン島に滞在する時間は、10:00~20:00くらいが目安になります。
日本からだと、2日連続の機内泊という形の弾丸旅行が可能です。ただ、せっかく海外へ旅行するなら何日か宿泊したり、他の都市と合わせて観光することをおすすめします。
ペナン島内の移動手段
ペナン島内の移動手段は、ジョージタウンの中であれば無料巡回バスの「CAT」を活用しましょう。20分間隔くらいで運行しているので、うまく利用すれば効率よく観光することができます。
長距離の移動は、Grabという配車アプリを利用するのがおすすめ。Grabとは一般の車をタクシーとして利用でき、次のメリットがあります。
- 乗車場所と降車場所をあらかじめ決められる
- ルートを決めた時点で料金がわかる
- 通常のタクシーより安い
- カード決済ができる
- ドライバーは今までの利用者から5つ星で評価されているため信頼できる
- きれいな車が多い
例えば、ペナンヒルへ行くためのケーブルカー乗り場へは、Grabを利用することで効率のよい移動が可能です。
- 移動手段は無料巡回バス「CAT」と配車アプリ「Grab」を使う
コツのおさらい
- 日帰り旅行でおすすめの観光スポットはジョージタウン内にある「コロニアル建築群」「宗教寺院」「ウォールアート」
- 1泊2日旅行では「レッドガーデン」「周一族の橋」「ペナンヒル」を追加するのがおすすめ
- 2泊3日は「ビーチリゾート」を追加するのがおすすめ
- 移動手段は無料巡回バス「CAT」と配車アプリ「Grab」を使う
ペナン島には、「歴史」「自然」「グルメ」と魅力が盛りだくさんです。カップルや家族、友人と行けば、きっと忘れることのない貴重な思い出を作ることができますので、マレーシアへ旅行の際はぜひペナン島をスケジュールに組み込んでみてください。
皆さまにとって少しでも役に立つ情報になれば嬉しいです。読んでいただき、ありがとうございました。
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