マレーシアの両替術:レートの見方・いくら現金が必要かを徹底解説

マレーシアの両替術:レートの見方・いくら現金が必要かを徹底解説

早速ですが、このページが気になった方は、以下のような悩みを抱えているのではないでしょうか?

  • マレーシアに現金はいくら持って行けばいいんだろう?
  • 両替ってどうやるんだろう?
  • マレーシアのどこで両替すればいいんだろう?

そこでこのページでは、マレーシア旅行を計画している方を対象に、「通貨の単位」「レートの見方」「両替の計算・手順」「必要な現金」「お得に両替できる現地のおすすめ両替所」を、コツや注意点交えて丁寧にご説明いたします。

マレーシアの通貨

リンギット

マレーシアの通貨単位は「リンギット(Ringgit)」です。実際の発音は「リンギッ」に近く、RMまたはMYRと表記されます。

リンギットの種類は以下です。

  • 紙幣

100、50、20、10、5、2、1

  • 硬貨

50、20、10、5

硬貨は「セン」と呼ばれ、1リンギット=100セン。過去に1000、500リンギット紙幣や1セン硬貨もありましたが、現在は製造されていません。

また、リンギットを使用するうえで、次のことを覚えておいてください。

  • バスに乗る場合は、運賃のお釣りが出ないところがほとんどなので、細かいお金を用意しておく
  • 会計のとき、100、50リンギット紙幣で支払うと嫌がられることがある

両替所について

両替所

日本とは違い、マレーシアでは街の随所に両替所が存在します。たくさんある分気軽に両替できて良い反面、同じ金額でも店舗によって両替できる額が異なるのが悩ましいところ。

両替所の目印は、外観の目立つところに書かれた「Money Changer」「Money Exchange」「Currency Exchange」という文字です。また、祝日だと両替所が空いてない場合もあるので注意しましょう。

それでは、両替について順番に説明いたします。

外貨両替レートの見方

両替所に行くと、必ず次のように表記された電光掲示板があります(まれに手書きのところもあり)。

Code Currency Unit We Buy We Sell
JPY Japanese Yen 1,000 37.6 38.7

この表を「外貨両替レート(通称:レート)」といい、その国の通貨(マレーシアであればリンギット)と外国の通貨を両替するにはいくら必要かを表しています。両替所によって表に微妙な違いはありますが、ここで書かれている項目を理解しておけば問題ありません。

それでは、それぞれの項目の意味を見ていきましょう。

■ Code

ISO(国際標準化機構)によって定められた通貨のコード。日本円の場合は「JPY」。

■ Currency

通貨の名前。日本円は「Japanese Yen」。

■ Unit

対象となる通貨のいくらを基準の金額として考えるか。上記の表であれば、「日本円の1,000円を基準にして考える」という意味。

■ We Buy

Unitに表記された金額をその国の通貨いくらと両替するか。上記の表であれば、「1,000円を37.6リンギットに両替する」という意味。We Buyは、両替商が外国の通貨を買うことを表している。

■ We Sell

その国の通貨いくらでUnitに表記された金額に両替するか。上記の表であれば、「38.7リンギットで1,000円に両替する」という意味。We Sellは、両替商が外国の通貨を売ることを表している。

上記の通り、BuyやSellは両替所目線で考えられた表記で、外国の通貨を両替したい側からすると非常にややこしいです。マレーシアにいて円とリンギットを両替する場合、「リンギットが欲しければBuy、円が欲しければSellを見る」と覚えておけば大丈夫でしょう。

コツ1
  • マレーシアにいる場合、円からリンギットの両替は「Buy」、リンギットから円の両替は「Sell」を見る

また、レートは金額の多い少ないに関係なく維持されます。レートの違いによって、少ない額のお金を両替する分には大きな差が出ないが、多い額のお金を両替する場合は大きな差になることを頭に入れておきましょう。

両替の計算

実戦に則した計算問題です。「まだちょっと両替の計算は不安だなぁ」と思う方は、理解を深めるためにチャレンジしてみてください。

例1
Code Currency Unit We Buy We Sell
JPY Japanese Yen 1,000 37.2 38.9

問題:マレーシアのとある外貨両替レートがこのようになっていました。10,000円は何リンギットに両替できるでしょうか?

答え:372リンギット

解説:外貨両替レートのUnitとWe Buyを見ると、1,000円で37.2リンギットに両替できることがわかります。10,000円は1,000円の10倍なので、We Buyのレートも10倍して372リンギットというのが答えです。

例2
Code Currency Unit We Buy We Sell
JPY Japanese Yen 1,000 37.4 38.8

問題:マレーシアのとある外貨両替レートがこのようになっていました。194リンギット余ったので日本円に戻したい場合、何円になるでしょうか?

答え:5,000円

解説:外貨両替レートのUnitとWe Sellを見ると、38.8リンギットで1,000円に両替できることがわかります。194リンギットは38.8リンギットの5倍なので、1,000円も5倍して5,000円というのが答えです。

例3
Code Currency Unit We Buy We Sell
JPY Japanese Yen 1,000 38.0 38.6

問題:マレーシアのとある外貨両替レートがこのようになっていました。あと150リンギット欲しい場合、おおよそ何円両替すればよいでしょうか?

答え:4,000円

解説:外貨両替レートのUnitとWe Buyを見ると、1,000円で38.0リンギットに両替できることがわかります。150リンギットは38リンギットの約4倍なので、1,000円も4倍して4,000円というのが答えです。実際は4,000円だと152リンギット受け取れます。

実はこれ、数学の比の計算をしているのですが、数学と聞くだけで拒絶反応を示す方も多いと思います。そんな方は、以下の緑の二重線で囲った式をメモして、両替するときに電卓をたたいて計算してください。

  • マレーシアで、日本円をリンギットに両替するとき

(We Buyの数値)×(両替する日本円)÷(Unitの数値)=(受け取るリンギット)

先ほどの例1に当てはめて考えると、「37.2 × 10,000 ÷ 1,000 = 372リンギット」となります。

  • マレーシアで、リンギットを日本円に両替するとき

(Unitの数値)×(両替するリンギット)÷(We Sellの値)=(受け取る日本円)

先ほどの例2に当てはめて考えると、「1,000 × 194 ÷ 38.8 = 5,000円」となります。

  • マレーシアで、欲しい額のリンギットを両替するのに必要な日本円を計算するとき

(Unitの数値)×(欲しい額のリンギット)÷(We Buyの値)=(必要な日本円)

先ほどの例3に当てはめて考えると、「1,000 × 150 ÷ 38.0 = 3,947円」と計算でき、おおよそ4,000円となります。

コツ2
  • 両替の計算は、自分の持っているお金が「Unit/Buy/Sell」の何倍なのかを考える

両替の手順

両替は、次の手順で行います。

  1. 外貨両替レートを確認
  2. 窓口の人に両替したい額のお金を渡す
  3. 窓口の人が電卓で受け取れる額を計算して提示してくる
  4. 確認してオッケーなら両替をお願いする
  5. お金を受け取る
  6. 受け取ったお金の額が正しいか確認

英語で「〇〇〇円をリンギットに両替したい」と言えればスマートでカッコイイですが、英語が得意でない方もいると思います。そんな方は、両替したい額の日本円を見せながら「じゃぱにーずいぇん」と言ってお金を渡しましょう。慣れている窓口の方が気を利かせてくれます。

コツ3
  • 窓口の人に日本円を見せながら渡せば、流れに任せて両替できる

また、交通機関を利用するときなどに必要な細かいお金が欲しい方は、勇気を持って「small change(スモール チェンジ)」と言いましょう。一部を細かいお金にしてくれます。

必要な現金

「実際いくら両替すればいいのか」については、どれだけ豪華な旅行にするかによるので一概には決められません。しかし、ホテルや飛行機はクレジットカードで支払ったとして、「1日当たり5,000円+お土産代+20,000円」あれば、ストレスなく過ごすことができるでしょう(20,000円はプラスアルファ分)。

コツ4
  • マレーシアで普通に過ごすために必要なお金は「旅行日数×5,000円+お土産代+20,000円」(飛行機代と宿泊代は除く)

また、ある程度の相場を知っておくことで、目安を立てることはできます。

主に旅行でお金が必要になる場面は、以下の項目です。

  • 食費
  • 交通費
  • 観光スポットの入場料
  • お土産代
  • 宿泊代

それでは、参考までにどのくらいのお金が必要か項目別に見ていきましょう(日本円の計算は1リンギット=27円として計算しています)。

食費

スチームボート

「レストランの種類」ごとに「1食にかかる1人分の費用」と「クレジットカードの使用可否」を表にすると次のようになります。

レストランの種類 1食にかかる費用の目安(1人分) クレジットカード
高級・中級レストラン 40リンギット~(1,080円~) ほとんど使用できる
ローカルレストラン 5~30リンギット(135~810円) ほとんど使用できない
大手チェーン 20~30リンギット(540~810円) 使用できる

クレジットカードが使用できるレストランでも、「○○リンギット以上」という条件が付く場合があることに注意してください。

交通費

GOKL

「交通機関の種類」ごとに「1回の利用でかかる運賃の目安」と「クレジットカードの使用可否」を表にすると次のようになります。

交通機関の種類 1回の利用でかかる運賃の目安 クレジットカード
マレー鉄道

クアラルンプール⇔ペナン:59リンギット(1,593円)
クアラルンプール⇔イポー:25リンギット(675円)

使用できる
クアラルンプール近郊の電車 0.8~11.1リンギット(22~300円) 使用できない
長距離バス クアラルンプール⇔ペナン:39リンギット(1,053円)
クアラルンプール⇔イポー:20リンギット(540円)
クアラルンプール⇔マラッカ:14リンギット(378円)
ペナン⇔マラッカ:60リンギット(1,620円)
使用できる
市内バス 無料~数リンギット 使用できない
タクシー 交渉次第 使用できない
飛行機 使用できる

長距離移動の場合に利用する「マレー鉄道」「長距離バス」「飛行機」はクレジットカードが使用可能。使用する際は、インターネットのサイトであらかじめ予約しておくと受付の処理がスムーズです。

また、Grabという配車アプリをスマートフォンにインストールし、クレジットカードを登録しておけば、タクシーも無料で利用できます。

観光スポットの入場料

ペトロナス・ツイン・タワー

「主な観光スポット」ごとに「入場料」と「クレジットカードの使用可否」を表にすると次のようになります。

主な観光スポット 1人分の入場料 クレジットカード
ペトロナス・ツイン・タワー
(展望デッキ)
大人:80リンギット(2,160円)
子供:33リンギット(858円)
使用できる
KLタワー
(展望台+スカイデッキ)
大人:99リンギット(2,673円)
子供:52リンギット(1,404円)
使用できる
スタダイス 大人:10リンギット(270円)
子供:4リンギット(108円)
使用できない
コムター
(スカイウォーク)
大人:68リンギット(1,620円)
子供:48リンギット(1,296円)
使用できる
セピロック・オランウータン保護区 30リンギット(810円) 使用できない
ラブック・ベイ・テングザル保護区 60リンギット(1,620円) 使用できない
寺院やモスク ほとんど無料 使用できない

入場料が高い観光スポットはクレジットカードが使用でき、寺院やモスクは無料のため、現金はほとんど必要ありません。

また、「セピロック・オランウータン保護区」と「ラブック・ベイ・テングザル保護区」はツアーに申し込めばクレジットカードで決済できます。

お土産代

マレーシアのお土産

主なマレーシア土産の値段は次の通りです。

お土産名 値段
なまこ石鹸(大) 18リンギット(486円)
ホワイトコーヒー 13リンギット(351円)
Beryl’sチョコ(ボトル) 23リンギット(621円)
サバティー 6.5リンギット(176円)
マグネット 8リンギット(216円)

洋服や装飾品は価格帯が幅広いので、友人や会社の同僚に配りそうなお土産に絞ってみました。お土産は「何個かまとめて買うと1個無料」の場合が多いです。

宿泊代

サンダカンの景色

宿泊は、インターネットでホテルや民泊を予約して、クレジットカード払いする場合がほとんどでしょう。

ただし、ホテルに泊まるとき注意しなければならないのは、「ツーリズムタックス」と呼ばれる税金と「デポジット」が必要なこと。これはホテルによって支払額が違うので、あらかじめ確認しておきましょう。

「現金払い」と「クレジットカード払い」

では、現金払いとクレジットカード払いは、どちらがお得なのでしょうか?その答えは、「外貨両替レートによる」です。

クレジットカードの外貨両替レートは、クレジットカード会社が決めたもの。したがって、クレジットカード会社のレートを上回る両替所を見つければ、同額の日本円でも多くのリンギットが使えることになります。「クレジットカード会社も1つの両替所」と考えればわかりやすいでしょうか。

ただし、違いは数十円程度。少しの損を気にしない方や現金をあまり持ちたくない方は、クレジットカードを積極的に使っていくことをおすすめします。

各都市のおすすめ両替所

マレーシアの各都市をまわった中で、特にレートが良かった両替所をご紹介いたします。

クアラルンプール

■ Amero Enterprise

繊維街にあるデパート「Semua House」の中に入っています。

■ Merchantrade Pavillion KL

ショッピングモール「パビリオン(Pavillion)」と「ファーレンハイト(Fahrenheit)」をつなげた地下通路にあります。

ペナン島

■ DEAN FOREX×SDN BHD

ペナン島のランドマーク「コムター(Komtar)」の1階にあります。

■ Broadway Money Exchange

大規模なホーカーとして有名なガーニー・ドライブのそばのショッピングモール「ガーニー・パラゴン(Gurney Paragon)」の中にあります。

ジョホールバル

■ Wang & Company Money Changer Sdn Bhd

チャイナタウンの一角にある両替所です。

コタキナバル

■ Wisma Merdeka

ショッピングモール「Wisma Merdeka」内には、たくさんの両替所があります。その中のいちばんレートが良い場所で両替するのがおすすめです。

コツのおさらい

コツ
  1. マレーシアにいる場合、円からリンギットの両替は「Buy」、リンギットから円の両替は「Sell」を見る
  2. 両替の計算は、自分の持っているお金が「Unit/Buy/Sell」の何倍なのかを考える
  3. 窓口の人に日本円を見せながら渡せば、流れに任せて両替できる
  4. マレーシアで普通に過ごすために必要なお金は「旅行日数×5,000円+お土産代+20,000円」(飛行機代と宿泊代は除く)

このページに書いてあることをマスターしておけば、マレーシア旅行の両替で困ることはありません。

ただし、両替の損得にとらわれすぎると、楽しい旅行に水を差してしまいます。泊まるホテルや行く予定の観光スポット近くに限定するなど、無理のない行動範囲で両替するようにしましょう。

皆さまにとって少しでも役に立つ情報になれば嬉しいです。読んでいただき、ありがとうございました。